万年塀とは、コンクリート製の板と支柱を組み合わせた塀です。
昭和期を中心に広く使用されてきましたが、設置から長期間が経過したものは、ひび割れや鉄筋のさび、倒壊などに注意する必要があります。
本記事では、万年塀の構造や危険性、建築基準法との関係、撤去費用が決まる条件について解説します。
古い万年塀の撤去や補修を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
万年塀とは?3つの構成材と基本的な仕組み
万年塀とは、工場で製造された鉄筋コンクリート製の部材を現場で組み立てる塀です。
主に「柱」「板」「笠木」の3つで構成され、住宅や学校、工場などの敷地境界に使用されてきました。
まずは、万年塀の読み方やJIS規格上の名称、基本的な構造について解説します。
万年塀の読み方とJIS規格上の名称
万年塀は「まんねんべい」と読みます。
「万年塀」は一般的に使用されている呼び名であり、JIS規格上の名称ではありません。
万年塀に使用される部材は、「JIS A 5409 鉄筋コンクリート組立塀構成材」として規格化されています。
ただし、古い万年塀がすべてJIS規格に適合しているとは限りません。
また、JIS規格品であっても年月とともに劣化するため、現在の状態を確認する必要があります。
柱・板・笠木を組み立てる構造
万年塀は、一定の間隔で設置した柱の溝にコンクリート板を差し込み、上部へ笠木を取り付ける構造です。
工場で製造した部材を現場で組み立てるため、ブロックを一段ずつ積み上げる塀とは施工方法が異なります。
製品によって寸法は異なりますが、コンクリート板には1枚で数十kgになるものもあります。
板を複数段重ねると塀全体の重量も大きくなるため、撤去時には部材の落下や転倒を防ぐ対策が欠かせません。
万年塀とコンクリートブロック塀の違い
万年塀とコンクリートブロック塀は、どちらもコンクリートを使用していますが、構造が異なります。
万年塀は支柱の間にコンクリート板を差し込む組立式です。
一方、コンクリートブロック塀は、ブロックを積み上げ、鉄筋やモルタルで一体化させます。
外観にも違いがあり、万年塀には一定間隔で支柱が並び、板を重ねた横方向の継ぎ目が見られます。
コンクリートブロック塀は、ブロックの形に沿って縦横に目地が入っているのが特徴です。
また、建築基準法上の扱いも同じではないため、安全性を確認する際は塀の種類を見分ける必要があります。
万年塀のデメリットと危険性
万年塀はコンクリート製で重量があるため、劣化した状態で倒壊すると、通行人や周辺の建物へ被害を与えるおそれがあります。
特に注意したいのが、経年劣化による強度の低下です。
ここでは、古い万年塀に発生しやすい問題を解説します。
経年劣化による倒壊リスク
万年塀は、長期間にわたって風雨や温度変化の影響を受けると、コンクリート板や支柱が劣化します。
地震や強風によって部材へ繰り返し力が加わることも、ひび割れや傾きが生じる原因の1つです。
見た目に大きな異常がなくても、基礎や内部の鉄筋が劣化している可能性があります。
特に、道路や通学路に面した万年塀が倒れると重大な事故につながるため、設置から長期間が経過しているものは定期的に状態を確認することが重要です。
鉄筋のさびとコンクリートの剥離
コンクリートのひび割れから雨水が浸入すると、内部の鉄筋がさびる可能性があります。
鉄筋はさびによって膨張し、周囲のコンクリートを内側から押し出すため、表面の浮きや剥離、欠損につながります。
コンクリートの表面に赤茶色の錆汁が現れている場合や、鉄筋が露出している状態は注意が必要です。
表面を塗装するだけでは内部の劣化を解消できないため、補修で対応できるのか、撤去したほうがよいのかを専門業者へ確認しましょう。
万年塀に建築基準法上の個別基準はある?JIS規格との関係
万年塀には、補強コンクリートブロック造の塀に設けられているような、建築基準法上の個別の構造基準が規定されていません。
そのため、ブロック塀に関する高さや厚さ、控え壁などの基準を、そのまま万年塀へ当てはめるのは適切ではないでしょう。
一方、万年塀に使用される柱・板・笠木などの部材には、「JIS A 5409 鉄筋コンクリート組立塀構成材」があります。
JIS規格は部材の品質や寸法などに関する基準であり、現在設置されている塀の安全性を保証するものではありません。
法令や規格だけで判断せず、実際の劣化状況や基礎、周辺環境まで確認する必要があります。
危険な万年塀の見分け方と所有者が確認したいポイント
万年塀の安全性を確認する際は、設置年数だけでなく、現在の状態を見ることが重要です。
外観に異常があるものは、内部や基礎の劣化も進んでいる可能性があります。
ここでは、目視で確認できる異常や寿命の考え方、倒壊時の責任について解説します。
ひび割れ・傾き・欠損の確認方法
万年塀を確認する際は、コンクリート板や支柱にひび割れ、傾き、欠けがないかを目視します。
柱と板の間に大きな隙間が生じている場合や、笠木がずれている状態にも注意が必要です。
ただし、ぐらつきを調べるために手で押したり揺らしたりすると、部材が外れる危険があります。
異常が見られるときは、塀の周囲へ人が近づかないようにしたうえで、専門業者へ点検を依頼してください。
設置から何年で寿命を迎えるのか
万年塀の寿命について、公的機関が示す一律の年数は確認できません。
使用されている部材の品質や施工方法、気候、周辺環境、維持管理の状況によって、劣化の進み方が異なるためです。
「設置から30年経過したら必ず寿命を迎える」とは限らず、反対に年数が短くても劣化が進む可能性があります。
経過年数だけで判断せず、ひび割れや錆汁、傾きなどの異常がないかを確認することが大切です。
倒壊した際に所有者が負う法的責任
万年塀が倒壊し、通行人や隣接する建物に損害を与えた場合、民法第717条に基づいて損害賠償責任を問われる可能性があります。
同条では、土地の工作物の設置または保存に問題があったときは、原則として占有者が責任を負い、占有者が必要な注意をしていた場合は所有者が責任を負うと定められています。
万年塀に傾きや大きなひび割れがあるときは放置せず、周囲の安全を確保したうえで点検や撤去を検討しましょう。
万年塀の撤去費用の目安と工事の流れ
万年塀の撤去費用は、塀の大きさや設置場所、撤去する範囲によって異なります。
公的機関による一律の単価基準は確認できないため、現地調査後の見積もりで判断する必要があります。
ここでは、費用に影響する条件と一般的な工事の流れを見ていきましょう。
撤去費用は現場の条件によって異なる
万年塀の撤去費用は、塀の長さだけでなく、高さや厚み、板の枚数、基礎の形状などによって変わります。
また、重機を搬入できるか、廃材を運び出す経路を確保できるかによっても、必要な人員や作業時間が異なります。
そのため、「1mあたり○円」といった単価だけで正確な費用を判断するのは困難です。
業者に現地を確認してもらい、撤去する範囲や施工条件を反映した見積もりを作成してもらいましょう。
廃材処分費や重機費用を左右する条件
万年塀の撤去では、コンクリート板や支柱の取り外しに加えて、廃材の運搬・処分にも費用がかかります。
支柱の基礎まで撤去する工事では、地面を掘削する作業や、撤去後の埋め戻しが必要になる可能性もあるでしょう。
敷地が狭く重機を搬入できない現場では、人力による作業が増えるため、工期や人件費に影響します。
見積もりを受け取ったら、解体費だけでなく、廃材処分費や重機費、基礎の撤去費などが含まれているかを確認することが大切です。
解体から廃材搬出までの工程
万年塀の撤去工事では、はじめに塀の状態や周辺環境、隣地との境界、重機の搬入経路などを調査します。
また、解体による影響を抑えるため、必要に応じて周囲を養生し、コンクリート片や粉じんが飛散しにくい状態を整えることが重要です。
解体作業では、一般的に上部の笠木を取り外し、コンクリート板、支柱の順に撤去します。
その後、取り外した部材を適切に分別して搬出したら、施工箇所を清掃して工事は完了です。
基礎まで撤去したときは、必要に応じて埋め戻しや整地も行います。
万年塀に関するよくある3つの質問
万年塀については、新設費用やJIS規格上の名称、施工方法などに疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、万年塀に関する4つの質問へ回答します。
万年塀の価格や新設費用はいくら?
万年塀の新設費用は、塀の長さや高さ、使用する部材、基礎工事の内容などによって異なります。
また、重機を搬入できない場所や地盤の補強が必要な現場では、追加費用が発生する可能性があります。
一律の金額を示すのは難しいため、現地調査を受けたうえで見積もりを確認することが大切です。
見積もりでは、材料費や施工費、基礎工事費などの内訳も確認しましょう。
まんねんべいの正式なJIS規格名称は?
万年塀に使用される構成材のJIS規格上の名称は、「JIS A 5409 鉄筋コンクリート組立塀構成材」です。
「万年塀」は、一般的に使用されている呼び名であり、JIS規格上の名称ではありません。
なお、JIS規格は構成材の品質や寸法などに関する基準です。
規格に適合した部材を使用していても、設置から長期間が経過した塀の安全性は、現在の劣化状況を踏まえて判断する必要があります。
万年塀の施工方法や基礎工事のポイントは?
万年塀は、地面へ固定した支柱の間にコンクリート板を差し込み、上部へ笠木を取り付けて施工します。
支柱と板を組み合わせる構造のため、支柱を安定させる基礎工事が重要です。
必要な基礎の仕様は、地盤の状態や塀の高さ、設置場所などによって変わります。
基礎や支柱に問題があると、傾きや倒壊につながるおそれがあるため、専門的な知識を持つ業者へ施工を依頼するのが適切です。
万年塀ではどのようなトラブルが起こる?
万年塀で起こりやすいトラブルには、コンクリートのひび割れや剥離、鉄筋のさび、支柱の傾きなどがあります。
柱と板の間に隙間が生じたり、上部の笠木がずれたりするケースにも注意が必要です。
こうした異常を放置すると、コンクリート片の落下や塀の倒壊につながる可能性があります。
錆汁や鉄筋の露出、大きな傾きが見られるときは、塀へむやみに触れず、専門業者へ相談してください。
老朽化した万年塀の撤去は株式会社雄志総業へご相談ください
万年塀は、柱・板・笠木を組み立てたコンクリート製の塀です。
設置から長期間が経過したものでは、ひび割れや鉄筋のさび、支柱の傾きなどが生じている可能性があります。
異常が見られるときはむやみに触れず、専門業者による点検を受けることが大切です。
撤去費用には一律の単価がなく、塀の大きさや重機の搬入経路、基礎の状態、廃材の処分方法などによって変わります。
まずは現地調査を依頼し、必要な工事と見積もりの内訳を確認しましょう。
株式会社雄志総業では、建物解体工事に加え、塀をはじめとする外構解体工事にも対応しています。
札幌市で老朽化した万年塀の撤去を検討している方は、株式会社雄志総業へお気軽にご相談ください。
お問い合わせは下記より受け付けています。
- WEB:公式サイト「お問い合わせ」より
- 電話:011-879-5001
【記事監修】
藤本 大志(ふじもと たいし)
株式会社雄志総業 代表取締役
平成23年(2011年)に創業。
平成26年(2014年)に法人化(株式会社雄志総業を設立)
札幌市を中心に地域密着で15年以上、一般家屋からビルまでの解体工事、アスベスト除去、仮設足場工事、冬期の除排雪など、総合建設業の第一線で現場を指揮。
「業界で最もクリーンで、最も信頼される解体業者」を目指し、徹底した法令順守、クリーンな廃棄物処理、そして不透明な費用の撤廃に全社を挙げて取り組んでいる。
- 解体工事施工技士
- 一般建築物石綿事前調査者
- 工作物石綿事前調査者
- 産業廃棄物管理責任者
- 特別管理産業廃棄物管理責任者
- 技能実習責任者
解体工事は、施主様の思い出が詰まった建物を壊すだけでなく、新しい未来へ繋ぐ大切な第一歩です。
だからこそ、手続きや費用、近隣対策にいたるまで、一切の濁りがない「最もクリーンな解体業者」でありたいと考えています。
アスベスト対策や産廃処理など、見えない部分こそ徹底的に。
札幌の皆さまに「雄志総業に頼んで本当に良かった」と心から安心していただけるよう、本コラムを通じて、業者の選び方やトラブルを防ぐノウハウを誠実にお伝えしてまいります。


























