札幌市の皆様、こんにちは。札幌市の解体業者の雄志総業です。
建物を新築・建て替えるとき、基礎工事の最初に行われる重要な工程のひとつが「根切り(ねぎり)」です。
普段の生活ではなかなか耳にしない言葉ですが、工事の現場では当たり前のように行われています。
施主の立場から見ると、根切りをきちんと行えるかどうかは建物の強度・耐震性に直結するため、基本的な知識を持っておくことが大切です。
本記事では、根切りの意味・種類・工事の流れ・確認すべきチェックポイントをわかりやすく解説します。
あわせて、根切りと深い関係にある「山留め」や「埋め戻し」についても詳しく説明しています。
解体工事後の建て替えや新築を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
根切り(ねぎり)とは
根切りとは、建物の基礎をつくるために地盤を掘削する土工事のことです。
地面を掘り下げる際に植物の根を切ることから「根切り」と呼ばれており、「根伐(ねぎり)」と表記されることもあります。
建築業界では「根切り工事」とも呼ばれており、基礎工事の準備段階として欠かせない工程です。
どのような建物も、安定した基礎の上に成り立っています。
その基礎を正確な深さ・幅で設置するためには、まず地面を必要な分だけ掘り下げなければなりません。
これが根切りの役割であり、建物の強度・耐震性・耐久性に直接影響を与える重要な作業です。
作業はバックホウ(油圧ショベル)などの重機を使って進めるのが一般的です。
重機が入れない狭い現場では、スコップなどを使った手作業になることもあります。
掘削後の底面(床付け面)の状態を確認し、問題がなければ次の工程(地業・捨てコン打設)へと移行する流れです。
なお、根切りは解体工事を担う解体業者が行う場合もあれば、その後の建築工事を担う建設会社が行う場合もあります。
施主と各業者との契約内容・現場状況によって、どの業者が担当するかが決まります。
根切り工事が必要になるケース
根切り工事は、以下のようなケースで必要になります。
- 建物を新築する場合
それまで建物がなかった土地に、新たな建物を建てる際に行います。
更地から基礎を設けるため、ほぼすべての新築工事で根切りが必要です。 - 建物を解体して建て替える場合
古い建物を解体した後の土地に、新しい建物を建築する場合にも必要です。
解体直後に根切り工事を行うケースが多く、解体業者が続けて対応することもあります。 - 地盤改良が必要な場合
地盤が軟弱で改良工事が必要な場合、改良工事の前準備として根切りを実施します。
適切な深さまで掘削することで、地盤改良材を注入・施工するための空間を確保します。 - 地下室・地下駐車場を設置する場合
地下に空間を設ける場合は、その空間の分だけ深く掘削する必要があります。
通常の根切りよりも大規模な掘削作業となり、山留め工事も必要になることが多いです。 - 擁壁を設置する場合
傾斜地や高低差のある土地に擁壁を設ける際にも、根切り作業が必要になります。
擁壁の安定性を確保するために、適切な根入れ深さまで掘削しましょう。
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根切りの3つの種類
根切りには、採用する基礎の種類に応じて主に3つの工法があります。
建物の設計・構造によってどの工法を用いるかが決まるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
①つぼ掘り(坪掘り)
つぼ掘りとは、柱の真下の部分だけを独立して掘削する工法です。
「独立基礎」を採用する建物に用いられ、各柱ごとに独立した穴を掘ります。
独立基礎とは、建物を支える柱1本1本の下に個別に設けられた基礎のことです。
建物全体の荷重を各柱に分散させる構造で、比較的大きな柱スパンの建物(工場・倉庫・大型施設など)に多く採用されます。
つぼ掘りは掘削範囲が限定されるため、残土の発生量が少なく経済的です。
一方で、各箇所の深さや寸法を個別に管理する必要があるため、精度の高い施工が求められます。
②布掘り
布掘りとは、壁の下や基礎梁の位置に沿って帯状に連続して掘削する工法です。
「布基礎」や「フーチング基礎」をつくる際に採用されます。
布基礎とは、建物の壁の下に連続して設けられる基礎のことです。
布(織物の布)が帯状につながっているように見えることから「布基礎」と呼ばれています。
逆T字形の断面を持ち、地中にあるフーチング(底盤部分)と地上に出る基礎梁から構成されます。
布掘りでは、フーチング下を帯状に掘り進めるのが基本です。
掘削面が細長い形状になるため、地盤の安定管理と山留め対策が重要なポイントとなります。
③総掘り(べた掘り)
総掘りとは、建物の底面全体を均一に掘削する工法です。
「ベタ基礎」をつくる際に用いられ、「べた掘り」とも呼ばれます。
ベタ基礎とは、建物の底面全体を鉄筋コンクリートで覆う基礎のことです。
底面全体で建物の荷重を地盤に伝えるため、軟弱地盤への対応力が高く、近年の住宅では広く採用されています。
総掘りは掘削範囲が広いため、残土の発生量が大幅に多くなります。
掘削前に残土の搬出先・処理方法を計画しておくことが、工期・コスト管理の観点から重要です。
根切りの深さの目安(根入れ深さとの違い)
根切りに関連して「根入れ深さ」という言葉がよく使われますが、定義が異なるため正確に理解しておくことが大切です。
- 根入れ深さ
地面のラインから基礎の下端(底面)までの深さのことです。
捨てコンクリートや割栗石の厚みは含みません。 - 根切り深さ
根切りによってできた底面から、基礎の下に敷く捨てコンクリートや割栗石の底面までの深さのことです。
根切り深さは根入れ深さよりも深くなります。
建築基準法施行令(2026年5月時点)では、基礎の根入れ深さについておおよその目安が定められています。
ベタ基礎の場合:根入れ深さ120mm以上、根切り深さ270mm以上が目安です。
布基礎の場合:根入れ深さ240mm以上、根切り深さ390mm以上が目安です。
ただし、これらはあくまで最低基準にすぎません。
地盤の凍結深度・地耐力・建物の規模によって必要な深さは変わります。
特に北海道などの寒冷地では、地盤の凍結を考慮した「凍結深度」以上の深さで根切りを行う必要があり、温暖地と比べて深い掘削が求められます。
設計図書に記載された指定の深さを正確に掘削することが、何よりも重要です。
根切り工事の主な流れ
根切り工事は、以下のような手順で進められます。
解体工事後に続けて施工するケースでは、解体が完了した段階でスムーズに根切りへと移行します。
- 掘削位置の確認
建物の設計図に基づいて、掘削する位置と深さを確認します。
「丁張り(ちょうはり)」と呼ばれる仮設の基準構造物を設置して、掘削の位置・高さを現場に明示してから作業を開始します。 - 掘削作業の実施
バックホウなどの重機を使って、指定された深さまで地面を掘り下げます。
重機が入れない狭い場所ではスコップを使った手作業が中心です。
深く掘りすぎると埋め戻し作業が必要になるため、慎重に深さを管理しながら進めます。 - 残土の処理
掘削によって発生した残土をダンプカーで処分場へ搬出します。
残土の量が少なく土質が良好であれば、敷地内の整地や盛り土に活用することもあります。 - 床付け面の整地と確認
掘削後の底面(床付け面)を平らに整えます。
ここで地盤の状態を確認し、問題がなければ次の工程(砕石敷き・捨てコン打設など)へと移ります。
地盤に問題が見つかった場合は、この段階で地盤補強を検討・実施しましょう。
根切り工事の5つのチェックポイント
根切り工事の具体的な施工は業者が担いますが、施主としても基本的な確認ポイントを知っておくことで、工事が適切に進んでいるかを判断しやすくなります。
以下の5つのポイントを参考にしてください。
チェックポイント①掘削の深さと幅
掘削の深さと幅は、基礎の種類に応じて設計図書に明記されています。
深さが不足すると基礎の安定性が損なわれ、建物の耐震性・耐久性に直結する問題です。
逆に深すぎると、埋め戻しが必要になり工数とコストが余計にかかります。
幅についても、図面通りの寸法で掘削できているかを確認することが大切です。
疑問点があれば現場監督や担当者に声をかけて確認しましょう。
施主として工事内容に関心を持つことが、適切な施工につながります。
チェックポイント②地盤の状態
根切り後の床付け面で、地盤の強度・状態を確認します。
根切りによって地盤の強度が低下したり、想定外の地質(軟弱層・礫層など)が現れたりすることがあります。
こうした場合は、地盤補強工事(柱状改良・鋼管杭など)を追加で実施するのが一般的です。
地盤の問題を放置したまま基礎工事を進めると、建物の沈下・傾きが生じるリスクがあるため、必ず専門家の判断を仰いでください。
もし、心配な場合はスウェーデン式サウンディング試験などの地盤調査の追加実施を業者に相談しましょう。
なお、敷地の歴史(過去の用途・盛土の有無等)や近隣の地盤状況も判断材料になります。
古い建物を解体した跡地や埋立地では、地盤改良が必要となる可能性が高い点に注意してください。
チェックポイント③廃棄物・地中埋設物
根切り工事中に、コンクリートガラ・古い配管・廃棄物などの地中埋設物が発見されることがあります。
いずれも適切な撤去・処分が欠かせません。
大量の廃棄物が出た場合は、撤去後に改めて地盤の状態を確認する必要があります。
廃棄物の撤去によって地盤の強度・地質が変化することがあるためです。
地中埋設物の存在は事前に把握しにくく、発見された場合は追加費用が発生する可能性があります。
事前に業者と「埋設物が出た場合の対応と費用」について確認しておくと安心です。
関連記事:知っておきたい『産業廃棄物』と『一般廃棄物』の違い
チェックポイント④防湿シートの隙間
根切り後に防湿シートを敷く場合、シートに破れや隙間がないかを確認します。
防湿シートは地盤からの湿気を遮断し、基礎下の乾燥状態を保つための重要な資材です。
湿気が浸入すると、基礎コンクリートの劣化や木部の腐食につながる場合があります。
破れや隙間が見つかった場合は、防湿テープで補修してから次の工程へ進むのが基本です。
ベタ基礎を採用している場合は、コンクリート自体に防湿効果があるため、布基礎の場合と比べてシートの管理はやや緩やかで問題ないとされています。
チェックポイント⑤残土の処理
根切りで発生した残土の処理は、コスト管理と環境対策の両面で重要なポイントです。
敷地内で活用できる分は再利用しますが、量が多い場合はダンプカーで処分場へ搬出します。
残土を処分場で処分する場合、2026年5月時点での目安は1立方メートルあたり5,000〜7,500円程度です。
(費用は地域・処分場・土質によって異なるため、最新の情報は依頼する業者にご確認ください。)
掘削量が多い総掘りでは残土処理費が高額になりやすいため、見積もり段階で必ず確認しておきましょう。
根切りと関連する「山留め」と「埋め戻し」
根切り工事を理解するうえで、関連する2つの作業「山留め」と「埋め戻し」も知っておくと理解が深まります。
以下で、詳しく確認していきましょう。
山留め(やまどめ)とは
山留めとは、根切りで深く掘削した際に、周囲の土が崩れないよう支える構造物を設置する作業です。
専用の矢板・H鋼・木製板などを地中に打ち込み、土の崩落リスクを低減します。
根切りが深くなるほど地盤の安定性が低下し、土が崩れる危険性が高まります。
特に隣接する建物・道路・ライフラインがある場合は、山留め工事が必要不可欠です。
山留めが不十分だと地盤の崩落が起き、近隣への損害や作業員の安全上のリスクが生じます。
山留めの工法には「親杭横矢板工法」「鋼矢板工法」など複数の種類があります。
現場の条件(掘削深さ・地盤の状態・周辺環境)によって最適な工法が異なるのが特徴です。
山留め工事は施工費用に大きく影響するため、見積もり段階で必要性と工法・規模を確認しておくことが大切です。
埋め戻しとは
埋め戻しとは、根切りで掘削した空間を土で埋める作業です。
主に2つのケースで実施されます。
1つ目は、掘削が深くなりすぎた場合に、床付け面を正しい高さに調整するために行うケースです。
2つ目は、基礎工事が完了した後に、基礎の外側に残る空間を土で埋めるために行うケースです。
埋め戻しには根切り時に発生した残土を再利用することもありますが、地盤への影響を考慮して良質な土を使うケースもあります。
埋め戻しを行う際は、土を一度にすべて入れるのではなく、層ごとに転圧(締め固め)しながら積み上げましょう。
締め固めが不十分だと時間の経過とともに地盤が沈下し、建物の傾きや基礎の損傷につながる可能性があります。
建物の長期的な安定性を保つためにも、埋め戻し作業は丁寧かつ確実に進める必要があります。
まとめ
根切りは、建物の基礎工事において最初に行われる地盤の掘削工事です。
つぼ掘り・布掘り・総掘りの3種類があり、採用する基礎の形式に応じて使い分けられます。
適切な深さ・幅での掘削と、地盤の状態・廃棄物・防湿シートの状況の確認が、安全で長持ちする建物の土台づくりに直結する要素です。
山留めや埋め戻しといった関連工事も含めて理解しておくことで、工事の全体像がより把握しやすくなります。
札幌市で解体工事・根切り工事をご検討の方は、創業13年の地域密着型専門業者「株式会社雄志総業」にぜひご相談ください。
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【記事監修】
藤本 大志(ふじもと たいし)
株式会社雄志総業 代表取締役
平成23年(2011年)に創業。
平成26年(2014年)に法人化(株式会社雄志総業を設立)
札幌市を中心に地域密着で15年以上、一般家屋からビルまでの解体工事、アスベスト除去、仮設足場工事、冬期の除排雪など、総合建設業の第一線で現場を指揮。
「業界で最もクリーンで、最も信頼される解体業者」を目指し、徹底した法令順守、クリーンな廃棄物処理、そして不透明な費用の撤廃に全社を挙げて取り組んでいる。
- 解体工事施工技士
- 一般建築物石綿事前調査者
- 工作物石綿事前調査者
- 産業廃棄物管理責任者
- 特別管理産業廃棄物管理責任者
- 技能実習責任者
解体工事は、施主様の思い出が詰まった建物を壊すだけでなく、新しい未来へ繋ぐ大切な第一歩です。
だからこそ、手続きや費用、近隣対策にいたるまで、一切の濁りがない「最もクリーンな解体業者」でありたいと考えています。
アスベスト対策や産廃処理など、見えない部分こそ徹底的に。
札幌の皆さまに「雄志総業に頼んで本当に良かった」と心から安心していただけるよう、本コラムを通じて、業者の選び方やトラブルを防ぐノウハウを誠実にお伝えしてまいります。


























